Field report 5 ● レジデンシャルオーガナイザー 本間 ゆり


CLIENT

個人邸/住宅

敷地:埼玉県さいたま市

家族構成:夫婦+子供2人 4人家族

建物の種類:軽量鉄骨2階建


Interview

レジデンシャルオーガナイザーは小さな「〜したい」も叶えます

□ 私が「〜したい」と思うことは難しいこと?

お客様が『〜したい」ことは、ワンルームを仕切ること。お子さんが中学に入学されるので、いままで1部屋として使っていた子供部屋を、「個人の空間を持てるよう個室に分けたい」というのが最も優先順位の高いご要望です。他には、1・現在設置済みのエアコンを共有で使いたい。2・仕切りの上部はオープンにしたい。3・下の子供の部屋側の壁は、後日自分たちの手で好きな色をペイントしたい。(DIYしたい)という明確な意思がおありでした。

ですが、お知り合いの工務店や設計事務所に相談されても、納得のいく話ができないという現実。かえってくる返事は、「しっかりした壁の方がいいですよ」というもので、先述の3つの要望を満たすことを一緒に考えてくれる人に巡り会えずにいらっしゃいました。「自分のしたいことはそんなに難しいことなの?」もしかすると「わがままな要望なの?」という思いを持ちながら、私にご相談いただきました。

□ 将来を考えて「下地」をつくっているほど明確な思い

お子さんが成長したら部屋を分けることを想定して、建てられる際に扉を2か所と、天井には間仕切り壁を建てる場合のための下地が設置済みでした。このように、手すりや棚、造作家具、間仕切り壁を後から設置する場合、下地があるかないかで工事の方法や予算、期間など様々な部分で大きく影響します。もちろん下地がある方が楽に工事が行えます。下地は後から入れるのではなく、建てる時に検討することをお勧めします。その点でも、このお客様はしっかり「〜したい」未来の暮らしのイメージをもって住まいづくりをされていることがわかります。


□ 何を優先するのかを決める「小さな選択」をサポートします

ご要望のエアコンを共有するということについては、部屋を分けることでデメリットも生じます。お気づきのかたもいらっしゃるでしょう。冷気は下に、暖気は上に溜まります。間仕切りの上部をオープンにしても、設置していない部屋には十分な冷気がとどかない可能性もあります。そういったところもじっくりお話し、お客様が何を優先するのかを決めるサポートもいたします。

具体的な間仕切り壁のプラン計画、壁紙の選定をさせていただき、こうした小さな工事を丁寧に責任を持ってやってくださる工事業者の手配も私たちの仕事です。一番大切にしているのは、お客様の意向がきちんと伝わるよう工事業者とのパイプ役ということです。もちろん、見積りチェックや工事の仕上がりのチェックもさせていただきます。丁寧に打ち合わせすることで、今回の工事は当初予定していた金額を下回った金額で仕上げることができました。

レジデンシャルオーガナイザーとして、私は小さなことでも、それを選ぶとどういう可能性があるのか、またはないのか、メリットとデメリットをきちんと説明することを心がけています。「みなさんこうしてます」や「そんなことをされた方はいませんよ」という一般的な事例を基準に進めるのではなく、お客様が望み、選んだものを実現するような計画づくりを目指しています。